「リゼットさん、お久しぶりです。」
夕食の席にリザを連れて行くと、既にそこには家族が揃っていた。
「お久しぶりです、おじさま。
すみません、お待たせして。」
「いえいえ、構いませんよ。
2人で大切なお話でもしたのでしょう?」
相変わらず丁寧な父さん。
殆ど誰に対しても敬語だ。
そして、その朗らかな笑みが絶える事はない。
僕はどっちかっていうと、父さん似。
アルは母さん似だろうか。
そして、
「リゼお姉ちゃん、おひさー。」
末の弟のセレスタンだ。
「お久しぶり、セレス。」
セレスは中身は完璧母さん、外見は完璧父さん似のギャップが一番激しい人物だ。
「さあ、みんな揃った事ですし、食べましょうか。」
父さんのその言葉で、和やかに食事が始まる。
「アルは今、何処かの学校に通ってるの?」
「ううん。
この前、工業の学校を卒業して、今は父さんの手伝いしてる。」
「ええ、よく働いてくれてますよ。」
父さんのその言葉にアルは嬉しそうに笑う。
アルは根っからのお父さんっ子だから、こういうのが嬉しいらしい。
因みに父さんは、ミシンなどの機械を作る職人だ。
「そっか、私が18歳だから、アルはもう16歳だっけ。」
「この前誕生日きたから17歳だけどね。」