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「おいおいおいおい、三冷くんよぉ~~」



原田か。


「なんだその、キモイ発音は。」




やけにニヤヒヤした物言いは、気にさわる。


「きもい?」

「キ持ち悪くて、モザイクかけないと放送事故で、イい加減死ねば良いのになーって思うやつのことをキモイという。」



「おまっ!
よくわかんないけど、なんかめっちゃ盛っただろ!!
どんだけながいんだよ!!キモいの正式名!!」






「そんなことどうでも良い。で、用件は?」



「あ、そうそう。この前のお前の初巡察の話なんだけどよー」


「なんだ、その話ならもう土方にこっぴどく言われた。」




あの巡察から帰ると、平隊士のどいつかが先に報告したらしく、まさしく鬼のような喧騒の土方に出迎えられた。





私に続いて、平隊士に担がれて帰ってきた沖田も土方に無理矢理起こされて、一緒に説教を受けた。


といっても、私は全く反省していないし、するきもないが。




土方は、どちらが悪いとか関係なしに、新撰組同士で刀を向けていたところを町人に見られてしまったことについて怒っており、軽く3時間ほどグチグチと言われた。






それから数日たった今でも、土方は何か機嫌が悪いし、
沖田は沖田で、私ことを敵と見なし、私が近づくと睨んでくるしまいだ。





その他の平隊士からの視線やら何やらももううんざりだよ。





「副長相当怒ってたもんなー
怖かった?般若」


「般若ってなんだよ。
別に怖くなかった。」




「てか、なんで男助けたわけ?
殺しちゃえばよかったじゃん。
総司止めずにそのまんまサクッと」



こいつは笑顔で物凄いことを平然と…



「私の時代では、命はそんな軽いものじゃないんだ。
残されたものの悲しさ、まだ生きられたというのに死んでしまった事による後悔。
その理由が、たかが一張羅が汚れてしまったことによる喧嘩だったら、お前はどうする?」



「嫌だな。確かに」




「だろ。
それだけだよ」




「でも総司、相当拗ねてるぞ。
刀も抜かなかった奴に負けて、その上平隊士に担がれて帰ってくるなんて…って。」