教室に戻る途中、ふとある言葉が頭をよぎった。

体育祭の日に聞いた神流の言葉を思い出したんだ…。

“最近総長が突然いなくなってるらしいぞー”

ま、さかね…。

考えすぎだよ…。

でも…なんで私が達也に弱味を握られてるって剛也が知っているのか…。

そしてなぜ達也との関係を聞いてきたのか…?

不信に思って屋上に戻っても、もう達也はいなかった。

綾「……聞いとけばよかったな…」

まぁ、また今度見つけたら聞けばいっか。

……髪大丈夫かなぁ?

さっきウィッグとったからちょっと心配。

一応付けたけど、怖いから見てこよ…。

そう思いトイレに向かう。

「…~よー!」

おっと、先客か?

トイレから声がしたから中をそーっと覗き込む。

「っ!!~ふっ…」

私は笑いそうになった口を必死で抑え、
いい加減授業受けなきゃやばいな…と思って教室に戻った。