もう喉まででかかってるんだけど……。


辻村辻村つじむ……。



「!!」




突然、勢いよく記憶の引き出しが飛び出してきた。




「あああーーっっ!!」


「うっせ」



絶叫して指さした私を、迷惑そうな顔で見る辻村くん。



「辻村くん!?小学校で同じクラスだった!?」



「やっぱ、長谷川か」



「いやいや、私辻村くんに苗字でも呼び捨てられた覚えはないんだけど」



呼び捨てられたっていうか、ほとんど喋ったことないっていうか……。



数少ない記憶の中でも、「長谷川さん」だった。



ていうか。