外は寒いな




白い息を切らしながら



早足でクリーニング屋に向かう



途中、自販機で


温かいミルクティーを買って



かじかむ指先をあたためる




その時に強張った全身の筋肉が



一瞬緩んだ気がした





ガラガラー…




『すいません』





クリーニング屋に入ると温かい



空気が私を包んだ





『はいよー』



『ちょっと待って下さいねっ』





ん? おばちゃんの声じゃない



男の人の声だった



若くて張りのある


でも、どこか落ち着いてる低い声




どっかで聞いたことのある声



でも何処だろう




そんな事を考えていたら



その声の主が現れた





『すいませんねー』



『お待たせ致しました』





彼が現れた瞬間



私の胸が大きく脈を打つ



息するのも忘れ、彼の顔を見てしまった