はい、朔月です。どうも



あ、忘れてないかな?オレの名字、黒崎ね

どうも、黒崎朔月です





「おい、着替えるぞ?」


執事の手当てを終え、オレは着替え始める

いや、執事が勝手に着せてくるんだけど、




「サラシ…取るか。流石にペッタンコじゃあなぁ…」


ペッタンコで悪かったな…て、コラおい馬鹿

何気にサラシを取ろうと手をかけた執事の手を弾き落とす

「いたっ!」

『取ろうとすんな馬鹿。これならオレがやる』

「え、見たか……分かった。じゃ、これに着替えろよ」



油断ならない奴だな、ったく

ババァの花瓶の時は感心したけどな
マジで助かったし




あ、そだ

ババァの件、真剣に考えようと思うんだ


父もババァに興味がなくなってきているみたいだし



執事に出された服に手を通しながら、オレは自覚した




――…そうか。オレは今から“女”になるんだ、と

ヒラヒラするスカートで足が落ち着かないのに、身体に沿った上着

男のスーツと全然勝手が違い、落ち着かないこと極まりない





…じゃなくて、オレは女だから、葉月じゃなくなる………

じゃ、オレは良い



あの狂ったババァは本当の葉月に、……いや、まて。あの葉月がやられるか?



『……いやいや、葉月が健康の保証はない。じゃあ、手を出されても…出したらババァがヤバイぞ』

「…葉月様には会えねーと思うぞ、愛人野郎は』

『っ!?』




ビックリした―…

ブツブツ独り言のつもりで言ったからまさか返事されるとは…



………って、


『何人の着替え見てんだよっ!!!!』


クソ執事がっ!