あの日から一週間ほどたった。


 ちゃんと翌日、彩人くんには謝った。


「ごめんね、昨日勝手に抜け出して。」

「気にしないでください。悪いのはボクたちですし。」


 なんて、内容のいい人なんでしょうね…?


 私だったら、とっくにキレてるよ!!



 それからは、特に変化なし。





「あの、有栖川さん。返却したいんだけど。。」


「あ、はい。すみません。」


「いいよ。でも、気をつけたほうがいいよ。」


「はい、以後気をつけます。」



 そうだった。
 今は図書係中だった。


 は~ぁ。
 頭の中で回想してたら忘れてた。。



 シャキッとしなきゃ!
 じゃないと、



「大丈夫ですか、小夜さん?」


 ほら、やっぱり彩人くんに心配されちゃった。。



 ・・・あ、あった!変わったこと。

 橘くんじゃなくて“彩人くん”って呼ぶようになった。


 そうだった。あの話には続きがあるんだった。