まだ、好きでいさせて。:千尋side
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「……と、東野くんっ!」



ある日のお昼休み。



一人の女の子に呼ばれて、体育館裏に来
ていた。



なんでも俺に話があるんだとか。



「あ、あの……っ」



目の前の女の子はそう言うと、その先は
なかなか口に出せないのか、もごもごし
たままで、顔を真っ赤にさせて俯いた。



「……どうしたの?」



そんな女の子を促すようにそう声をかけ
れば、女の子はやっと決心したかのよう
に顔を上げ。



「あの、今はフリーだって聞きました!
な、なのでもし良かったら、付き合って
下さい!」



そう言った。