「瑠樹(ルキ)っ」



肩を叩くと、瑠樹は振り向いて笑った。



「おー万里花(マリカ)。おはよ。どした?」



「おはよっ。あのね、この前貸してって言ってたCD持ってきたんだけど」



「あっサンキュー!さすが毬花!明日返すな」



「おっけー。大切にしてよ?割ったら怒るからねー」



「わかってるよ。ったく信用ねーなー」



「普段の生活態度の問題でしょー?」



「うっわひでぇ。実は俺めっちゃ真面目だからね?」



「どーだかねー」



「ほんとだって!」


あははっと笑ってから、ふと視線を感じて振り返ると。


「…あ、未来(ミク)。おはよう」



「…おはよ」



完全に不機嫌な顔でそう言うと、未来は瑠樹に向かって飛びきりの笑顔を見せた。



「瑠樹っ。おはよ♪」



「おはよ、未来」



瑠樹も嬉しそうに笑って返す。



そんな二人をみて、私はこっそりと溜め息をついた。