彩希side


「………」

「先輩っ??」



先輩はあたしを連れ出してから、

一言も喋らない。


手だけ繋がれたまま。





「翔貴から聞いたよ」

「翔貴にぃから?」

「稜の事。…記憶の事」

「先輩……」

「ねぇ、俺じゃダメ?」

「えっ……?」



なにを……言ってるの?