「ねぇ、藍斗くん」


「なに?」


「あたし達って付き合ってるの?」


学校への通学路
隣を歩く王子に尋ねた


「まーそうなんじゃねぇの」


「まーって」


「気まぐれかもよ。俺、今まで特定の女作ったことないから」



噂では聞いていた

でもまさか自分が王子の‘特定の女’になるなんて思ってなかったけど


「じゃあ、彼女でいいんだね」


「いいんじゃない」


「なにその曖昧な返事」


「だから、いたことねぇからわかんねぇの!」



あーそうですか



「じゃああたしは藍斗くんの初めての彼女ってわけだ」


嬉しいんだか悲しいんだか


「…そうだな」


はっきり言ってまだわからない

藍斗くんが好きなのかどうか


でももう、前みたいに嫌いじゃない


いいとこもたくさん知ってるから