「……インターハイなんて夢、とっくに捨てた」



「えっ??」



「……今はフツーにバスケしてるほうが気楽。なににも縛られなくて済むし」



「そっか……」



「……だからもう、インターハイの夢は捨てた」



「佐伯くん……」



そう呟いた佐伯くんの顔は、少し辛そうだった。



「……ごめんね、変なこと聞いて」



「……べつに。それより、ここまででいい」



「えっ??」



「……俺、家こっちだし」



佐伯くんは自分の行く方向を指差した。



「あっ、うん!!ありがとう。ごめんね」



「……気を付けて帰れよ」



「うん!!バイバイ!!」



佐伯くんはそのまま帰っていった。