「ぶぁっくしょーん!」
ズーズー…
頭痛い。
鼻水とまらん。
幸せなときを過ごした翌日、友里の風邪を見事にもらった俺。
朝の目覚ましで起こされ、リビングにでてきたもののソファーから動けずにいた。
「おにぃ、汚い。マスクくらいしてや。」
白い目で俺をみるのは、中3で受験生の由那。
この三連休は、塾で缶詰めやーと言ってた。
「あー悪い。ごめんな。」
「朝ごはんはみんなの分、用意したから。お昼はチャーハンあるからって菜々に言っといて。晩ご飯は瑠奈が作ってくれるから。じゃ、いってきます」
そういって嵐のように去っていった。
まだ朝の8時。
ほんまに缶詰めやん。
由那は、兄妹のなかで一番母さんに似てる。
地毛が茶色で、くせっ毛。
今はストパーあてて真っ直ぐな超ロングヘアー。
くりくりした大きな目で、顔の輪郭がちょっと丸くて童顔。