「そろそろ戻ろか。」



上から降ってくる甘い声に、こくりと頷く。


見上げると、そこには整いすぎやろ!て思わずつっこみたくなるくらいの美形男子…



「…髪、直さんとな。」



あたしのボサボサの髪の毛先を持ち上げ、くくっと笑う。


そんな姿にも、きゅん…


せやけど…



「うわぁああっ!」



鏡にうつる自分の姿は想像以上にひどくて…


こんな姿で、告白されて告白して甘い台詞に甘いキス…


い、いややーっ



「さいてー…」

「いいやん、どんなんでも可愛いで?」



鏡の前に立つあたしの後ろから優しく抱きついてきて、すっぽりはまる。



「なぁ、髪くくれへんから離してもらっていい?」

「そんな顔真っ赤にされると離したくなくなる」



ちょっと大人ぶっていってみたつもりやったのに、身体は正直やったみたい。


…もうちょっとこのままでもいいかな。