「ふぎゃーーー!
にゃごにゃごーー!」

僕は、首が痛くなりそうな角度でアレクを見上げ、必死になって大きな声を上げた。



「マイケル…わかってるって。
きっとなんとかなるから安心して。」

アレクはいつもと少しも変わらない眼差しで足元の僕を優しくみつめ、慣れた手付きでひょいと抱き上げた。



「ふぎゃ!」

僕は、すぐさま抵抗を開始する。
アレクの腕の中でもがき、身軽に地面に飛び降りた。
抱っこなんかしてほしくないね!
おまえ、もっと真面目に探せよ!
僕の一生がかかってるんだぞ!!



「……本当に君はつれないねぇ……」

アレクはそう言って小さく肩をすくめた。







それからというもの、僕とアレクは必死になってロザリオを探した。
確か、あれからしばらくはアレクの首に下がってたと思うんだけど、僕もあんまり気にしてなかったから、いつからないのかなんてわからない。
ただ、アレクは家の敷地からはほとんど出たことがないから、あるとしたら家の中か畑のどこかだと思うんだ。
畑を走り回ることは、毎日みたいにあったから。
広い広い畑の中を、僕達は毎日一生懸命探し回った。




でも、どれだけ探してもとうとうあのロザリオはみつからなくて、僕達はついにハロウィンの日を迎えてしまった。