見つめられたまま、硬直する私。

北島さんの顔が目の前にある。ひとつ大きく瞬きをして下を見る。
顎をすっと上に上げられた。嫌でも目が合うようになる。

あーちょっと待って!
なんか私ここ最近ずっと本来の私じゃない・・・
飲まれてる、この人に・・・
うー・・・

意地悪に笑う北島さんは顔を横に傾け、近づけてくる。
私の鼻先に北島さんの鼻先が当たる。私は無意識に口が開いてしまう。
喉がごくりと音を立てた。
口角を少し上げて笑う北島さんは、キスしてくるのかこないのか、微妙な雰囲気を出している。

「俺とキスしたい?」
なんでそんなこと優しく聞くの?

「ん?したいの?」
何も言えない私を楽しんでる。