シャネルのツイードジャケットを北島さんちに忘れたことに気付いたのはそれから一週間も後のことだった。

ないないないないと探していて、
クリーニングにも出てないって言われ、
北島さんのところ氷水を作るのに邪魔だ!
って思って、そこら辺にぶん投げた。

ことを今更ながらに思い出した。

「はぁ・・・あれ気に入ってたのに」

この一週間は翻訳の仕事が立て込んで、そして締め切りに追われ、
家を出たのはわずか3回。
食事は出前で済ませた。
パソコンと向かい合ってるので肩が凝ってもひたすら我慢。

シャワータイムが癒しのひとときとなっていた。

ひとまず一本脱稿しなければならなかった。

時間がいくらあっても足りない。

1日18時間パソコンの前に座って格闘しても、

終わらないこの地獄・・・