ケータイ小説 野いちご

若き店主と囚われの薔薇

第二章
翡翠、再会、彼との思い出



あのあとエルガは、珍しく彼自身のことを教えてくれた。


『お前のことばかり知ってもつまらない』


なんて、失礼なことを言って。

私が気になっていた、彼の別の仕事について、教えてくれた。

彼は地面に座って、俯きがちにこう言った。



『俺は、宝石商をしている』と。



その言葉を聞いて、以前私に名前の由来を確認してきたことに、なるほどと思った。

インカローズの別名がロジンカであることは、あまり知られていないことだから。


驚いたのは、なんでもこの奴隷屋は、ほぼ趣味でやっているのと同じだと言ったこと。

あまりにも悪趣味だと思ったが、普段の彼を思い出してみると、納得できた。


エルガは、進んで奴隷となり得る子供を探し、連れ去るなどということはしない。

生活に困った親が子供を売りに来れば、彼は受け入れる。

それはまるで、保護のようにも思えた。



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