己の美しさで生きている彼女たちは、いつだってひたむきだった。


生きることに、誰よりも命をかけていた。

その大きな瞳に、いったいどれだけの感情を映し、

どれだけの感情を隠しているのか。

…その華奢な後ろ姿を、ただ近くで眺めていることしかできない自分には、

それが気になってならない。


いつだって凛としていて、美しい瞳。


いくら身体の純潔を奪われても、

それでもなお自らの足で立っている。


『貴族の愛人』

と呼ばれる彼女たちを、


自分はいつも、時が流れるまま、眺めていた。