私の体は動いている。
心はこんなにも重く、座り込んでしまっているのに体はまだ言うことを聞く。
「お母さん、お弁当……」
「ん」
母の拳から出てきたのは五百円玉だった。
どうやら今日もお弁当はないらしい。
昨日もなかった。
小さく、行ってきます、と呟きドアを開けた。
太陽の光が私に反乱を起こす。
どうにか外へ出て、家を見返す。
素っ気ない家は、私にかける言葉もないようだ。
有馬が学校を休む時、私にもお弁当はない。
お金を渡すのも嫌なのか一度「バイトしたら」と言われてしまった。
今探してるとこだ。
あの家では有馬が優遇なのだ。
何もない、平凡な私は、ならばあの人たちにはどんな存在なのだろう。
「三百五十六円になります」
店員さんの手に五百円を置き、引き換えにおにぎり二つと水が入った袋を手渡された。
お釣りを貰い、コンビニを後にする。
決心して家を出てきたのに、今更になって決心が駄々をこね始めた。
行きたくない。
『卑怯者っ』
言葉が蘇り、頭を抱える。
実際には心を抱えた。
心はこんなにも重く、座り込んでしまっているのに体はまだ言うことを聞く。
「お母さん、お弁当……」
「ん」
母の拳から出てきたのは五百円玉だった。
どうやら今日もお弁当はないらしい。
昨日もなかった。
小さく、行ってきます、と呟きドアを開けた。
太陽の光が私に反乱を起こす。
どうにか外へ出て、家を見返す。
素っ気ない家は、私にかける言葉もないようだ。
有馬が学校を休む時、私にもお弁当はない。
お金を渡すのも嫌なのか一度「バイトしたら」と言われてしまった。
今探してるとこだ。
あの家では有馬が優遇なのだ。
何もない、平凡な私は、ならばあの人たちにはどんな存在なのだろう。
「三百五十六円になります」
店員さんの手に五百円を置き、引き換えにおにぎり二つと水が入った袋を手渡された。
お釣りを貰い、コンビニを後にする。
決心して家を出てきたのに、今更になって決心が駄々をこね始めた。
行きたくない。
『卑怯者っ』
言葉が蘇り、頭を抱える。
実際には心を抱えた。