あれから約一週間が過ぎた。



ジーンズ素材のショートパンツに、上はカーディガンを羽織って、私は誰もいない家を出た。



お母さんは今日も仕事か...。



なんてどうでもいいことを考えながら、駅まで徒歩で向かった。





―――――――...



「おっ、衿華~!」


栗色の髪を揺らしながら、私に向かってブンブンと手を振る人物。



......ちょっと、恥ずかしいんだけど。




「...お待たせ。珍しいじゃん、紗希が私より前に来るなんて」



「いやー、映画楽しみ過ぎて早起きしちゃったよ~」



そう。


今日は電話で約束した日曜日。



紗希が推しているイケメン俳優が出る恋愛映画。



なるほど...通りでテンション高いわけだ。



まぁ紗希はいつでもこんなんか...。