二人の恋はそれからも電話と手紙だけでどんどん燃えた。

好きだけど飛込めない、年齢差と境遇の壁。

未来など見えない。

でも二人はお互いが出会う前には戻れなかった。


江梨は言った。

『約束しよう。私はヒロちゃんの事が好き。でも未来の無い恋は怖い。

でもヒロちゃんの気持ちがこのまま、ヒロちゃんが二十歳になるまで、私を好きだと言う気持ちが変わらなかったら……、会いに行く。

たとえ先で悲しい別れが待っていても、私がヒロちゃんの忘れられない初めてのひとになりたいから』

「変わらないよ!俺は絶対!俺は江梨ちゃんの最後の男になるよ……」

『わからないよ。人の気持ちは変わるもの……。もともとありえない恋なんだから』

そうして、あっと言う間に冬になりヒロの誕生日がきた。

子供に留守番してもらい、江梨はヒロに会いに行った。

その日の為に用意した服と、綺麗に伸ばした長い髪で……。

(でもヒロがショートが好きと言ったので、まもなく切る事にしたんだけど)