長かった夏休みが終わった。


塾の最終日に行われた模試では、まずまずの点数を取ることができて、夏休みの猛勉強に確かな手ごたえを感じていた。


二学期は、少しペースを落として、余裕を持てそうだ。


今月は、待ちに待った修学旅行もある。


あたし達中学三年生にとって、最大級のイベントだ。


今日の学級会の時間は、グループ決めや自由行動の計画を立てるために与えられていた。


女子四人と男子四人で一グループという編成で、あたしと香織は当然一緒。


同じようにペアになっている女の子を探し、応援団のよしみもあって、美保と恵と同じグループを作ることにした。


「雄平君、もうグループ決まっちゃったかな…?」


小声でそう言って雄平を見つめる香織は、恋する女の子の目をしてる。


「よし、あたしが聞いてきてあげよう」


「杏奈…!ありがと!」


香織がうれしそうに微笑んで、あたしの腕にからみついた。


香織は、素直で、かわいい。


雄平と恋人同士になる日は、きっと近い。