将太君の存在に、心を救われていたのだと思う。


雄平のことで、毎日息の詰まる思いをしていたけれど、将太君といる時は、自分の中の雄平の存在が小さくなっているのを感じた。


将太君といると、素直に笑うことができる。


心が穏やかになる。


将太君が、あたしがきちんと息をするのを、手伝ってくれているようだった。


それは、利用していることになるのだろうか。


将太君の思いを踏みにじっていることになるのだろうか。


でも、あたしには、将太君の気持ちに寄り添えるほどの余裕がなかった。


心がすり減って、少しでも楽になれるのなら、それを求めてしまった。