修学旅行の後から、雄平と香織が付き合っているというのは公認のことになっていた。


学校で二人が一緒にいるのを見ることはなかったけれど、ベタベタしないところが、みんなから好感を得ているようだった。


修学旅行の延長で、あたしと香織、美保、恵は四人で行動しており、香織とゆっくり話すことはなかったので、香織の口から雄平の話は、まだ聞いていない。


あたしの方からは聞けない。


雄平の名前を出したら、泣き出してしまいそうな気がしたから。


あたしの雄平への恋心は、誰も知らないあたしの心の奥に押し込んで、鍵をかけた。


でも、うまく笑うにはもう少し時間が必要で、香織とも雄平とも、なんとなく距離を置いて、上辺の付き合いでかわしていた。