カップラーメンを食べた後、美愛が買ってきてくれた薬を飲んだ。

 俺が広げっ放しにしていた新聞紙に興味があるのか、美愛は新聞紙と睨めっこしたままだった。

「…美愛」

 俺は美愛を読んだ。

「なあに?」

「美愛さ、帰るとこ…あるんだろ?」

 俺の言葉に、美愛は顔をこわばらせた。

「…玲央にゃん…?」

 次の言葉を言おうとして、俺は迷った。これを言ったら、美愛はなんていうのだろう。

 俺のことを嫌いになるだろうか。否、いっそ嫌われた方が楽だろう。

 俺は意を決して口を開いた。

「家に戻れ」