翌朝、幸助の仕事先に行くと、幸助はいなかった。

「あの…すみません」

 店員さんの一人に声をかけた。

「はい、なんでしょう?」

 とびきりの営業スマイルを浮かべて聞いてくれた店員さんに私は

「遠藤幸助…さん、いますか?」

 と尋ねた。

 昨日、美里に聞いたあの話が、嘘だったのか本当だったのかを本人に確かめたかったから。

「あぁ、幸助なら警察に行きました。自首するそうです」

 私は耳を疑った。

「け、警察…って」

「あれ?…あなたって幸助の恋人ですよね?何もきいてないんですか?」

 そう言われて私は俯いた。

「聞いて…ないです」

「そうですか」

 そのとき、違うレジにいた店員さんが私の所まで来て

「あの、失礼ですが海さんですか?」

 そう聞いてきた。