「食べに行こう。俺、給料を頑張ってためてたんだ!今日のためにな!」

 ?

 私は首を傾げた。

「いいから、来いよ」

 腕を引っ張られて、アパートを出る。

 バスに乗って、たどり着いたのは――またしても神奈川県!

「ここのイタリアンがうまいんだよな」

 言いながら、奏太は満面の笑みを浮かべて店内に入って行く。

「好きな物頼めよな」

「うん!」

 私は、マルゲリータピザを頼んだ。それから、赤ワインも頼む。奏太も同じ物を注文した。

「でも、どうしたの?急にイタリアンなんて。いつもなら家にあるもの食べるだけじゃん?」

「よく聞いてくれたな!大事な話があるんだ!」

 言いながら、奏太はポケットを探った。