ケータイ小説 野いちご

もう泣かないよ

★TWO★
★「ありがとう」





 本当は、わかってるんだ―――。

 この言葉が、何を示すのか―――。

 そんなこと、本当は知っている。

 それでも、儚い希望を捨てられない。

「奏太は、助かるんだから!ね、そうでしょ!」

 私の言葉に、奏太は、にっこりとほほ笑んで見せた。

「海…―――」

 奏太が、呟く。

 本当は私みたいにいつも通りの大きさの声で言ったんだと思う。

 でも、もう声を出す気力さえ残ってないんだ。

「――――――ありがとう」

 私は、奏太の酸素マスクに耳を寄せた。


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