刹那は唇を放すと、あたしを刹那ん家へと入れる。



暗いところを見ると、どうやら誰もいないみたい。



そのままあたし達は、刹那の部屋に入る。



久しぶりに入った部屋は、相変わらず刹那でいっぱい。



こんなにクラクラしたっけって思う。



刹那は、あたしをベッドに座らせ、その隣に座った。



そして、豪快にため息をつく。


「なんで合コンに行ったなんて、馬鹿なことは聞かない。

なんで俺を避けた?」



真剣な目が、あたしの前で揺れる。



それを見た瞬間、目頭が急に熱くなって…。



「……っ」


「泣いてたって、わかんねーだろ?」



優しく涙を拭き取られ、あたしは頷く。



分かってる。


ちゃんと、言わなきゃ…。



「聞いちゃったの…。
女の人との会話…」



「女の人?」



「うん。刹那、俺は別れるって言ってた…」



あの時、すごく辛かったなぁって思う。



「それから?」



刹那…。



「うん…。数日して、女の人がやっと別れられたって、刹那に言ってるところも見て……


刹那が、浮気してるんだとおもった……」