「店長、今日は節分らしいですよ。」


「俺の店で豆まきやがったら強制退場させるから安心しろ。」


「その発言のどこに安心を覚えれば良いのかが見出せないのですが。」


「だって、店で豆まかれたら、掃除すんのお前だぞ?お前そんなに掃除好きだったっけ?」


「完全に苦手分野ですね。」


「お前に得意分野なんてないだろ。」


「なぜバレた。」


「お前見るからになにもできなそうだもんな。見た目通りなんてなんのギャップ萌も発生しないぞ。残念な奴だな。」


「あれ、店長あたし今もしかして存在を否定された?ギャップ萌がないことによって存在を否定されたよね?」


「気付いたか。頭はまだそこまで残念じゃないらしいな。よかったな救いどころがあって。」


「全然褒められてる気がしないんすけど。」


「褒める気もねぇからな。」


「店長、知ってます?豆まきって、『鬼は外』って言う合言葉と共に豆を鬼にむけて連射する行事なんすけど、その理論で行くとあたしは店長に向かって豆を投げ、かつ店長はもう店内に存在できませんよ。」


「お前喧嘩売ってんのか。」


「とりあえず落花生ゲットしてくるんで、大人しく待っててください。」


「じゃあ俺はお前の首を切るための書類ゲットしてくるから逃げずに待っとけ。」


「店長それほんと誤解だから。店長は鬼じゃなくて鬼畜だもんね。お願いだから首切らないでください生活費ギリギリなんすよマジで。」


「最初からそうやって黙って雇用されてればいいんだよアルバイトくん。」


「くそっ、ここがアルバイトの限界か…。枝豆でいいからぶつけたい!」


「なんか言ったか?」


「なんも言ってないっす店長マジ神っす給料あげてください。」


「おとといきやがれ。」



今日も店長は元気に鬼です。




END