「あっ、陽太だ。おはよう。」
「おっ!彩葉、おはよう!」
朝、家を出るとばったり会ったのは、陽太。
「陽太、朝練は?」
バスケ部は、確か朝練があったはず。
サッカー部や美術部は朝練がないらしいけど。
「ん〜、寝坊した。」
欠伸をする陽太の髪は寝癖でボサボサだった。
あたしは登下校はいつも1人だ。
春輝と優子は学校に行くのがはやい。
それに比べ、毎日寝坊しているあたしは遅刻ギリギリ。
おかげで体育教師にも目をつけられている。
「彩葉は家出るの遅いな。俺と同じ寝坊か?」
学校への道を並びながら歩く。
「毎日が寝坊なんですよねー。」
アハハと笑いながら言葉を返す。
でも、あたしの頭の中はアリアのことでいっぱいだった。