ケータイ小説 野いちご

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06.好きな理由

「璃里香ちゃ~ん」

「うわあっ!」


後ろからかかる重みにびっくりしてしまった。


「た、高橋くん、いきなり抱きつかないでっ」

「え~、だって璃里香ちゃんの背中、すごく抱きしめたくなるんだもん」


高橋くんが口を尖らせて訴えてくる。


何だ……この、軽くない発言でも軽く聞こえてしまうのは。


正直、あたしは戸惑っている。


三日前、初めて会った時からこの調子。


高橋正貴(タカハシマサキ)くん。MEWSの手樫くんに似ているのは見た目だけではなかった。


発言、行動すべてが軽い。


「一目ぼれしたかも」と初対面で口説かれたけど、それは本当なのか?という疑問が残る。


嬉しくないわけではない。今までそんな経験なかったから。いつもあたしだけが片思いしていたから。


追いかける側じゃなくて、追いかけられる側になったのは初めてで。


……まあ、高橋くんが本気であたしを追いかけているのかは謎だけど。






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