その日の夜、あたしは庭に出て
夜風にあたっていた



「メーイっ」

ぼーっとするあたしに
話しかける声

この声は…グライ?

なんで?
スキイじゃテレパシー…


「あ…」


「やぁ*」



あたしの目の前にいるのは
グライの声にそっくりな少年

容姿はちょっと
変わっているけど、
明るい笑顔で
あたしを見つめている



「グライ…だよね?」


「そう、僕はグライ*
天使ぶってる悪魔でーす」


あたしは突然現れた
グライの姿に戸惑った

テレパシーでしか
話したことなかったからな…

はじめて見た…



「どうしたの?」



「いやいや、
どうしたの?じゃなくてさ
なんでグライがいるの?
あなたロウンドの人でしょ
スキイに入れないんじゃ」


「うーんとね、それだよそれ」


グライはあたしの
スカートのポケットを指差した


あたしはポケットに手を突っ込み
中にあるものを取り出した



「これ?
…グライの宝物?」



「それは僕が作ったんだ
それがスキイにあると、
僕はスキイに行ける。
っていう魔法をかけている」


「だから、あたしに預けたと」


「そうそう、メイのおかげで
僕はロウンドの住人ではじめて
スキイに来ることが
できましたぁ」