「ねえ!海斗!!変じゃない?大丈夫??」

海斗のマンションの部屋

紅茶を片手に、温かなリビングのソファに腰かけて新聞を読んでいると

ばたばた廊下を走る音が近づいてくる

しるふがドアを開けて部屋に飛び込んでくるのと言葉が放たれるのはほぼ同時

「変じゃない」

落ち着きのないしるふを横目に見つつ、海斗がそう告げるのは次の瞬間

視線はすでに新聞に戻っている

背後でしるふの叫び声が聞こえるような気がするが、気にしない

ぺらっとめくった新聞の音だけがやけに響く

新年あけまして、今日

しるふと海斗は、海斗の実家に行くことになっている

昨日、仕事を終えてそのまま海斗のところにとまったしるふは

朝から室内を走り回っている