季節は12月

街はすっかりとイルミネーションに彩られ、道行くたびに歩を止めずにはいられない

黒崎病院の受付にも大きなツリーが、小児科の子供たちによって飾り付けられた

きっと今年も入院している子供たちの枕元には、サンタさんからプレゼントが届くのだろう、と

そのツリーを見上げながらしるふは一人微笑んだ

ともあれ、いろいろあった今年も終わりに近い

春には園田夏美を迎え、医局が一層にぎやかになり、しるふは指導医という新たな立場になった

3年前、海斗が自分の指導医だったように、3年遅れで同じ位置にたてたことがうれしかった

秋から冬にかけては海斗が出張で、少しさびしかった

でも、お互いに変わらない想いを再確認した出来事だ

にしても、今年も早かったなーと車の窓の外を見ながら思いを巡らせていたしるふは

隣の運転席に座る恋人に目を向ける