☆詩依Side☆

「…んっ…あぁ……」


目を開けて一番に視界に入ったのは、いつも見ている私の部屋の天井だった。

ベッドから体を起こして辺りを見回す。やっぱりいつもの部屋だ…

てか制服ぐちゃぐちゃだしー…

あの後すぐ家に帰ってそのまま寝ちゃったんだよね…

「…何時……?」


壁に掛けてある時計を見ると8時近くを指していた。
うわーこんなに寝ちゃったの…?


でも…


「徹…寝てもあんたから言われた言葉…消えないよ…」


徹の言葉や表情を思い出して涙が出てきそうだけど、必死にこらえる。


「…あ、シチューの香り……!」

下から香りが漂ってくる。そういえば腹減ったな…

「ご飯食べよっ」



――――…ガチャッ


誰かが私の部屋のドアを開けた。


誰………!?






「…あ、シイー起きたのー?」


「えっ…穂美ー!?」

「シイが起きるのずっと待ってたんだよー!」

「何で〜?」

「あーもうすぐ忘れてるー!!今日帰ったらマンガ返すからシイん家行くって朝言ったじゃーん!」

あ"……すっかり忘れてた…確かに約束してたよ…