大和side

体育館に入ってすぐに栞奈の姿を探す。

今日は日曜日。

一日練習。


いつもなら一番に来てるはずなのに……。


「蓮、栞奈は?」

「岬?今日は休むってメール来たけど」

「え……マジで?」

「マジで」


……部長の俺じゃなくて蓮に連絡、か。


蓮は俺の顔を見て盛大にため息をついた。


「お前さぁ……岬に何か言った?」

「え?」

「あの日……岬がお前を呼びに行ってから様子がおかしいんだよ」


……心当たりはある。

冷たくあしらいすぎた。


栞奈はきっと俺を心配してくれていただけなのに……。


「……はぁ。
これだからバスケ馬鹿は……」

「……馬鹿で悪かったな」

「一人で考えたいことがあるって書いてあったぞ」

「え……?」

「ほら」


蓮がケータイの画面を俺に見せてきた。


……一人で考えたいことがあるので今日は休みます。
大事な時にごめんね……か。


「……いいのか?
行かなくて」

「……あぁ」


……今のこの状態から脱することが……俺が栞奈にできる最大の謝罪だと思うから。