栞奈side


……分かんない。

今……大和が何を思っているのか。

何がそんなに辛いのか……。


スランプがどれだけ苦しいものなのか……あたしには全然分からない。


だって……選手じゃないから。

バスケなんて……体育の授業ぐらいでしかやったことないから。


ただのマネージャーのあたしには……分からない。


蓮ちゃんだったら……大和と同じ立場にいる蓮ちゃんだったら、何か良い言葉をかけてあげられるのかもしれない。


でも、あたしには………



……悪いけど、一人にしてくれ――



あの時の大和の言葉が胸に突き刺さったまま……離れない。

……どうしたらいいのか分からなかった。


ただ……その場から立ち去ることしかできなかった。


17年一緒にいて、あんなことを言われたのは初めてだった。


……ショックだったのかもしれない。


自分がいらない存在のように感じて……。