栞奈side

初戦、二回戦、三回戦……。

うん、順調!


青桜高校は今年も順調に勝ち進んでいます。


「三里が飛ぶ鳥を落とす勢いで勝ち進んでるらしいぞ」

「え、そんなにすごいの?」


トーナメント表を見ていたあたしの後ろから蓮ちゃんが話しかけてきた。


「例のお前らの知り合いの一年?が結構活躍してるらしい」

「海里君が……」


やっぱり強かったんだ……。


「決勝にくるのは間違いなく三里だろうな」

「じゃあ……ウチも決勝まで行かなきゃね」


……海里君も待ってるだろうから。

大和と戦うのを。


「そうだ、岬。
大和見なかったか?」

「大和?
見てないけど……」

「おかしいな……さっきまでそこにいたんだけど……」

「部室は?」

「見たけど、いなかった」


あたしも体育館の中をグルッと見回してみたけど、大和の姿はなかった。

どこ行っちゃったんだろ……。


「もう休憩終わってんのにな……」

「あたし、探してくるね」

「あぁ、悪いな」


あたしは大和を探しに体育館の外に出た。