リオンside

あれからどれぐらい時間が経っただろうか。

泣いていたカノンは少し落ち着いたようだった。


スッ……と体を離すと、目元を赤くしたカノンと目が合った。


「あ……な、何かごめん……」

「ううん……。
……ありがとう。
泣いたらスッキリした」


カノンはそう言って小さく微笑んだ。

その表情に……胸が高鳴る。

……何なんだ。

この感覚……。


「……ごめんなさい。
突然泣いたりして……」

「いや……」

「……このカクテルがとっても美味しかったから。
飲んだらすごく温かい気持ちになって……。
気持ちが高ぶったのかな……」


そう言ってカノンは静かに笑みを見せた。


「……そうか」

「もう大丈夫だから。
本当にごめんね」