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「ほら、ブーツ脱げるか?」

「ん〜出来ない、やって」

「ったく仕方ねーな」


タクシーから降りて
まだふらつくアキの身体を引きずりながら
やっとたどり着いた彼女の部屋。

玄関に座り込みその細い足を
惜し気もなく俺に向かって伸ばしてくる。

膝上20センチのスカートの裾が揺れ
白い肌とその先が見え隠れするさまに
当たり前に刺激された。


なんかもう
俺ちょっとヤバイ……

と思ってさっき床に放ったダウンを掴み
さっさと帰ろうとしたら


「リョウ、立てない」


って裸足になったアキが
下から俺の背中を引き止めた。


やけに挑戦的な態度で俺を見上げるアキ。


ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。


「知らねーよ、後は自分で何とかしろ」

「え〜ケチ!
じゃあいい、ここで寝る」

「駄目だ、風邪引いたらどーすんだよ」

「じゃあ連れてってよベッドまで」


何だこのわがまま女。
こんなに女に振り回されたのは初めてだ。

だけどやっぱり惚れた弱みか


「わーったよ!
クソッ!」

「わーい、ありがとうリョウ」


にっこり可愛く笑うその顔にまた惑わされ
俺は精一杯邪念を振り払ってから
仕方なくその身体を抱え上げた。


「アキ、後で絶対おごれよ」

「あーらくちん。
持つべきものはやさしいベーシストだね」

「てめー聞いてんのかよ」