雪芭は石畳に倒れたまま動かない。



嫌な汗が流れる。今どういう状況で、雪芭がどんな状態かわからない今、無闇な行動は取れない。



ふと自分の手を見れば震えている事に気づく。



無意識に目の前の少女を恐れ、この場から逃げ出したい思いを隼政は必死に抑える。



辺りを包む暗闇はよりいっそう不気味さを演出し、なにより、目の前の少女が――






「まだ生きてたのね、真冬」






底知れなかった…………