海の音が聞こえる。
遠くで祝福の鐘の音が聞こえる。

俺は息を切らして砂浜に立ち君を見上げる。

君は小高い丘の上に立ち、歌っていたね。
声を失くしていても俺には聞こえていたよ。

涙が俺の頬を伝う。

君が泡になって、青い空に消えていくのを、ただずっと見つめていた。

俺は本当に何も出来なかった。
この結末を変えたかったのに。
知っていたのに。

ただこうして君を涙を流して見送ることしか出来ない。