ケータイ小説 野いちご

運命みたいに恋してる。

運命と現実

 反論しようと口を開けたとき、柿崎さんが扉を開けて店内に入ってきた。


 あたしと花梨ちゃんは会話を止めて、すまし顔。


「お待たせしました。オリジナルブレンドとレモンティーです」


 ハッと目覚めるような香ばしい匂いが漂うコーヒーカップが、花梨ちゃんの前に。


 紅く澄んだ宝石みたいな液体が注がれているティーカップが、あたしの目の前に置かれる。


 その一連の動作の優しさと、指先のしなやかさったら、もう!


 うーん、さすがね。こういう単純な動作にも、人柄って表れるのね。


 感心しながらコッソリ柿崎さんの顔を盗み見て、あたしはつくづく再確認した。


 こうして見ると……あたしの好み! もろ!


 顔全体がね、すごく優しそうなのよ。全身から柔らかい雰囲気が醸し出されているし。


 きっと性格も優しくて穏やかに違いない。よかった! あたし、ゴツくて濃いの苦手だから。


 もし柿崎さんがゴッツイ系に成長してたら、あたし自分の運命呪ってたかも。

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