告白して、うまくいくとは思っていない。


こんなにもイタズラな運命に翻弄されっぱなしの恋が、そう簡単に叶うわけがないもの。


それでもあたしは挑むんだ。


こんなイタズラで意地悪な運命なんかに負けるもんか。


これは決意表明。この気持ちを大地に伝えて、運命に宣戦布告をするときなんだ。


「大地。あたし、あたしね……」


これまで何度も女の子からの告白を受けてきた大地が、あたしの気迫を感じたのか、ギョッとした顔になった。


それでもかまわず、あたしは頭のてっぺんから足の先までドキドキ緊張しながら、大きく息を吸った。


さあ、今こそ勇気を出せ!


「あたしは大地のことが……!」


「俺は七海のことが好きだー!」


まるで早口言葉みたいに叫んだ大地の言葉に、あたしの時間が一瞬止まった。


……え? なに? 今、なにが起きた?


「はあ、間に合ってよかった。好きな女の子に自分から告白するって昔からの夢を、好きな女の子に絶たれるところだった」


ホッとしている大地を、あたしは口をポカンと開けて眺めていた。


なにがなにやら頭が真っ白で、理解がまったく追いつかない。