ケータイ小説 野いちご

運命みたいに恋してる。

運命はお先真っ暗

 しばらく廊下に突っ立って、大地の姿を目で追うように廊下の向こうを見ていたけれど……


 いつまでもそうしていられるはずもなく、あたしは片づけをするためにトボトボと調理室に向かった。


 正直言って、ザル洗ったりお玉片付けたりしてる心境じゃないんだけど、でもそれ以外にできることもない。


 本当にどうしよう。この自分の感情と、どう向き合えばいいんだろう。


 そして、この恋にどうケリをつければいいんだろう。


 今まではずっと大地が隣であたしを助けてくれたけど、もう大地には頼れない。


 花梨ちゃんにだって、とてもじゃないけどこの状況を相談なんてできっこない。


 花梨ちゃんの忠告を無視して、こんな結果になったんだもん。


 八方塞がりの状態で、独りぼっちになっちゃった。誰もあたしの隣に居ない。


 独りぼっちで困難な状況を乗り越えなきゃならない心細さを抱えながら、あたしは調理室に足を踏み入れた。


「遅い!」

「あ……花梨ちゃん?」


 目の前で花梨ちゃんが、洗った布巾をパンパン音を立てて広げていた。


 な、なんで花梨ちゃんがここにいるの?


「一海さんと柿崎さん、一足先に店に帰ったよ。あたしも一応手伝ったから、後片付けの責任あるし」


「…………」


「もうほとんど後片付け終わっちゃったよ。七海ちゃんって本当にトロいんだから」


 花梨ちゃん……。花梨ちゃん……。


 目の前でキビキビ働く花梨ちゃんの頼もしい姿に、思わず両手を伸ばしそうになる。


 ねえ花梨ちゃん、あたし辛いよ。苦しいんだよ。お願い、助けて。

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