意味がわからずキョトンとしているあたしの襟の後ろを、大地がギュッと掴んだ。


「さーてと。それではちょっくら夜のお散歩とシャレ込みますかあ」


そう言うなり大地が、襟をつかんだまま歩き出す。


あたしは襟を引っ張られながら、ジタバタ引きずられてしまった。


「ちょ、ちょっと大地。どこ行くの?」


「いいから、いいから」


問答無用で大地に連行されながら、あたしはひたすら動揺しまくっていた。


どこに行くつもりなんだろう


ハッ⁉︎ まさか、イケナイ場所に連れ込もうってんじゃないでしょうね⁉︎


しまった油断しすぎた! 大地も男なんだってことをコロッと忘れてた!


ヤバイ! ど、どうやってこの危機を回避しようか!


「さぁ、着いたぞ」


げ! もう着いちゃったの⁉︎