「ねえ、どうして彼女たちはあんなに見え透いた嘘をつくんだろうね」

いつかどうせばれるのに

朝食を作ってくれている海斗の広い背中を、

壁に寄りかかりながら見つめていたしるふがふと口を開く

「見え透いた嘘?」

「彼女、香澄さん、6週目って言ったの。6週間前って言ったらさ、ちょうど海斗が珍しく私に電話かけてきてくれてた頃でしょ」

2週間に一度位海斗から着信があった

「私の知る海斗は、昔の女を気に掛けるほどマメな男じゃないもの。わざわざ自分の時間を割いてまで電話なんてしない」

気持ちいいほどはっきりとした海斗の性格上

すでに手放した女を気にかけたりしたりしない

だから、彼女がそう言った瞬間それが嘘だとわかってしまった

「第一、今までさんざんご令嬢をはねつけてきた海斗が、いくら忙しくてストレスたまってたからって一夜の相手に彼女たちを選ぶなんてそんなプライドのないことするわけないのよね」

リスク高いし

てか、逆にストレスたまりそう?