予想外の事態に放心する私。



私を驚愕の目でみる氷室。



シーン…、と辺りが静まる。




「……そなた……。」



沈黙を破ったのは、氷室だった。



「な…何?」








「……その手にある弓は、何だ…?」


「--っ!!」



氷室に指刺されて、初めて気づく。



「お……お前…、
……見えるのかっ!?」



慌てて氷室に問いかける。



呪具は、普通の人には見えない。



それなのに、氷室には見えてる……!?



「……あぁ。
その弓も、さっきのも。」


「何ぃーー!?」



思わず大声を出してしまった。



呪具もさっきのも見えてるなんて……!





こいつ……
“見鬼”だったのか!?




「それは何だ?


さっきのは、そなたの仕業か?


そなたは…
一体……?」




「そ…それは……---!!」



答えようと氷室と向き合ったら、突然目眩がした。



「うっ……!」


「そなた…!?
どうしたのだ!?」



膝を着いた私に、氷室が慌てて駆け寄る。




しまった……




邪気に当てられすぎたか……。



「…、大丈夫…。


休めば、治るから…。」



心配そうに顔を覗き込む氷室に、そう答える。



氷室は附に落ちない顔をしていたが、やがて何時もの無表情に戻り……



---ガバァッッ!!